
平成11年、三代目である現代表が妻と上海に行ったときのこと。二人は上海で最も有名な観光地・豫園で小籠包を食しました。その小籠包は今まで食べたことのない美味しさで、二人は「夢のような美味しさだね」と思わず涙目になりました。そして、「中国ラーメンだけではなく、いつかこの小籠包を日本のお客様に届けたい」と夢を熱く語りました。平成22年、三代目は小籠包発祥の地である上海豫園の特級点心師と出会い、ついにその夢を実現。夢のように美味しい小籠包だったことから「夢ごこち小籠包」と命名し、ついにその味を日本へ届けることになったのです。

本格派小籠包をお客様にお届けするべく厨房で腕を振るうのは、点心師の殷永梅(イン・ヨンメイ)。三代目が出会った特級点心師とは、まさに彼女のことです。殷永梅は16歳という若さでこの道に入り、本場中国で権威のある中国料理世界競技大会・点心部門において、記念すべき第一回大会で銀メダルを獲得した実力者。20年以上の修行を積んでも決勝に出られるかわからないと言われる中、彼女は14年というキャリアの短さで中国全土の第二位になりました。その後来日し、超一流点心師としての誇りを持って日本の小籠包普及に貢献。
小籠包発祥の地は、南翔(現在の上海)といわれています。小籠包は今や日本でも多くの人々に知られており、中華料理の点心を代表する人気を博していますが、「本物の小籠包」は、実は日本にはほとんどありません。熟練の点心師が作る揚州商人の小籠包は、まさに職人技。うす皮のもちもち感、滴り落ちるほどの豚肉の旨み、溢れだす至極のスープ―。その驚きの美味しさは、今までの小籠包のイメージを覆します。味わったその瞬間に、本場を食し、本物を知ることができる小籠包なのです。